イタリア留学中、毎日が楽しいといったわけではありません。
辛い思いをするこもあります。
留学生、一度は壁に向かって一人で泣いたことがあるかと思います。
でもこれを乗り切ってこそ、留学。成長するのです。
ここでは、日本人がイタリアで感じる様々な困難を挙げてみようと思います。
「自分だけでない。むしろ誰もが経験する」ということを理解して、「乗り越え方のヒント」になれば幸いです。
言葉の壁
イタリア語、学校では分かるのに、外でいざしゃべると全然わからない、通じない。なぜ?
語学学校の先生のイタリア語のスピードと実際街中で聴くイタリア語の速さは違います。
日本語もそうですが、語学学校で勉強する喋り方と実際の喋りかた、利用する単語は結構違うもんです。言葉って本当にいろんな言い回しがあるもんです。
アドバイス:相手はあなたがイタリア語の初心者とは知りません。一生懸命話せば相手もわかりやすく話してくれるはず。結構優しい人は多いもんです。少しずつ慣れるしかありません。
なぜ日本人は語学の上達が遅いの?
すばり、それは文法や、文字が全く違うからです。
ヨーロッパの言語(スペイン語、ドイツ語、フランス語など)には、女性名詞や男性名詞、人称などによって動詞が変化します。
日本で英語しか学ばなかった人にとっては「名詞に男性、女性」があること自体びっくりです。
さらに定冠詞もついてくると、もう頭はいっぱいいっぱい。
南米系の人はスペイン語がイタリア語で似ているため、めきめき上達します。
英語圏の生徒は単語がなんとなく似ています。また、学校で第二外国語でヨーロッパの言語を少し勉強しているはずです。だから上達のスピードは違います。
日本人は真面目に勉強していても3ヶ月目くらいでどっとスランプに陥る時期があります。
アドバイス:そんな時は、考えすぎずに知っている単語並べてください。相当新しい単語を覚えているはずです。
文法を気にしすぎるとしゃべれなくなります。間違ってもしゃべっているうちにだんだんと慣れてきますので。イタリア人だって完璧に話せないほど、イタリア語は難しいのです。
イタリアに20年以上住んでいる私でも、文法間違います。
語学学校では、会話のクラスを一つ下のレベルに下げてもらうのが良いです。
孤独を感じる
日本語だと、冗談もいう、おしゃべりで明るい性格なのに、留学してからはすっかりおとなしい性格になってしまった。
ということはよくあります。
冗談についていけず、一人だけ笑えない。会話に入ろうとすると次の話題に行ってしまっている。
結構つらいです。
アドバイス:そんな時は、頑張りすぎずに、日本人同士で集まって、いっぱい喋りましょう。
また、自分から話かけて行くしかありません。話やすそうな人、日本のことが好きな人をみつけて、自ら話かけてみましょう。
文化の違い
留学中は、イタリア人だけでなく、さまざまな国籍の人と一緒になります。
クラスメイト全員違う国籍。こんなことって日常でありますか?
とても貴重な体験です。
ここではイタリア人と一緒にいる時に感じる日本との文化の違いについてまとめました。
- 時間の感覚が違う:日本人は時間に遅れないようにしますよね。でもイタリア人は待ち合わせの時、時間通りにこないことが多いです。北イタリアでも南イタリアでもまた違います。南イタリアの語学学校は、時間通りに始まらないことも多いようです。先生も生徒もみんな遅れてくるから、お互いノープロブレムな状態になっていて、日本人は戸惑います。 大幅に時間に遅れる人がいてもだれもイライラしていません。
電車も遅れます。20分程度の遅れは遅れに入りません。
また、テレビのドラマなどのスタート時間も遅れます。(30分とか)信じられますか?
しかし!お店の閉まる時間はぴったりです。早く閉めるところもあります。
遅く始まり、早く終わる。
これイタリアあるあるです。 - 汚す人と片付ける人が違う:
土足の文化です。靴のまま家に入ります。 そして家の床は頻繁にモップがけしてきれいにします。
基本的に汚してもOK—>あとできれいにする。(イタリア人)
最初から汚くしないように気を付ける。(日本人)
日本の小学校では自分たちで教室の掃除をするので、汚さないようにしよう!という意識をもつようになります。イタリアの学校では、お掃除係の人がいるので子供たちで掃除はしません。つまり、汚しても掃除の人がきれいにしてくれるから大丈夫、といった意識です。
かつでの貴族の階級制度の習慣でしょう。 - 毎日お風呂、シャワーを浴びない。髪を洗う頻度の違い
毎日シャワーを浴びて髪を洗うのが一般的な日本人に比べ、イタリア人は毎日お風呂、シャワーに入る必要はないと思っています。また洗髪は三日に一度くらいです。洗いすぎると髪が痛むとも思っています。
それゆえに、共同アパートで毎日髪を洗って、乾かしていると大家から光熱費を使いすぎると文句を、、と言われることも。
イタリア人の髪質は細くて天然パーマも多く、洗わなくてもふわっとしています。
また、湿度が日本のようにないのでそれほど汚れないのです。
また、人口密度も低く、人が密集しているところが少ないせいもあるでしょう。
毎日シャワーしないから、不潔!というわけではなく、文化の違いといえます。 - 人がしゃべっていても自分の話をかぶせてくる
日本でも政治家達の討論番組ではすごいですが、イタリアでは日常的に、自分の意見を聞いてもらおうと人の話が終わるやいなや、もしくは終わりそうになると、自分の話に切り替えます。 対等に話そうとする時は、結構強引に会話に入っていかなくては、傍観者になってしまいます。これも文化の違いで悪気はないのです。 一方、基本的に自分勝手に振る舞っても文句を言われたり、陰口を言われることもありませんので、楽です。 - 自分の意見はその場で言う
気を遣って言えなかった、相手の意見を尊重して、、、なとどいった日本の控えなな文化はありません。我慢してて、問題が起きてからでは遅いです。そんな時、謝るどころか、「なんで言わなかったの?」「なんで聞かなかったの?」と「言わなかった、聞かなかったあなたが悪い」となります。
なんでも「あたなが悪い」という展開にもっていくのはとても上手なイタリア人。
すぐに「ごめんなさい」と謝ってしまう日本の文化は美徳とされません。
喧嘩する必要はないですが、その場で、気がついたことを伝えることはとても大切です。 - 優先順位の低い約束はドタキャンする
イタリア語のVediamoという言葉。つまり、「様子をみましょう」といった意味で、
あまり気乗りのしない約束の場合、もっと大切な用事が入った場合そちらを優先できるようにする便利な言葉。ヴェディアーモ。もちろん、状況や声のトーンによっていろんな意味合いをもつ言葉です。 - 20代でも親元で暮らす
日本では20代になると一人暮らしをする人が多いですが、イタリアでは結婚して、家を買うまで、もしくは転勤があるまで、、親元で暮らすことが多いです。
これは独立して生活するには給料が足りない場合が多いのと、基本的に家が日本より広いからでしょう。
また、親の家は子供が継ぐ、子供に家を残してあげるといった感覚の強いイタリア。(遺産相続税がとても低く、不動産に関してはほぼかかりません)
だから出て行くというよりは、共存しているからです。 - 持つものは持たざるものに与えよ
これは宗教的な影響もあると思います。物乞いがいるとコインなどを渡すイタリア人は結構いると思います。ジプシーや、難民、などが多くいて、持つものは持たないものに多少与えるのが正しいと子供のころから教えられているのでしょう。 - 食べれないものはあっさりと残す
日本では食べ物を残して捨てるのはとても悪いこと。なるべく残さないように無理して食べますね。イタリアではけっこうあっさりと捨てます。自分の体調が一番大切。無理することはありません。
安全面
なにかとスリや、泥棒を気にして生活しなくてはなりません。
- レストラン:
トイレに行く時もカバンは持参すること。
壁側でないかぎり椅子の背にカバンをかけると危険。 - 長期で家の開ける場合
泥棒が入ってもいいように、貴重品は隠すか、残さないようにする。 - バスでも歩いていても:常に背後を気をつけなくてはなりません。ひったくりはいないか。
- 自転車を一晩外に停めてたら、(チェーンをかけていても)翌朝は盗まれていると思った方が良いです。
- クレジットカードのスキミング:怪しいお店でカードの利用を控える
シェアアパートの同居人、大家さんとのトラブル
文化の違いもありますが、日本の文化が常識ではなく、むしろ特殊とでも思っておいたほうが良いですね。
- 部屋に現金置いてたら、盗まれた
- 家にもどったら、同居人が家でパーティーした。
- 大家さんの彼、彼女、孫などがよく家にきている。
- 毎日シャワーするとお湯使いすぎと言われる。 バスタブにお湯をためるなんてまず無理。(ガス代が高いため)
- 洗濯機使おうとするといつも、誰かの服が入っている
- 台所、洗わない人がいて、いつも人の分も洗っている
- 土足文化
- Wi-Fiがよく不具合が起きる。(これは大家さんのせいではないです。)
- 鍵が開かない。(古いタイプおん鍵は難しいのと、日本と明け方が違う)
- 部屋が寒すぎる&暑すぎ:イタリアではガス代が高いので暖房代はけちります。また建物が古いのと床が大理石や石のため寒いです。
屋根裏部屋や最上階の場合、夏とても暑くなり、クーラーない部屋も多いので注意。 - エレベーターなく建物5階とか。旧市街の古い建物はエレベーターないところも多いです。
- お湯出ない:石灰の多い硬水のため、湯沸器がよく不具合起こします。
- 隣の音がうるさい:壁が日本より暑いので騒音はあまり気にならないはずですが、22時まで楽器を弾いてもいい法律があるため、音が聞こえてきても文句言えません。
人種差別
- 突然:ニーハオ。もしくは「チン、チャン、チョン」とアジア人を馬鹿にする態度を取る、15歳〜20歳くらいの少年たちに出くわす。
- レストランや美術館の入り口でアジア人観光客に疲れているのか、すっごい悪い態度を取られる。(これはアジア人だけでなくアメリカ人とかに対してもしているのかもしれませんが、アメリカ人だと文句言われそうなので、おとなしめのアジア人でストレス解消しているのだと思います)
これらの態度を取られたら、「中国人ではありません」とか答えても無駄です。
日本でもこのような人種差別をする人は、相手にせずに避けるのが良いです。
たまに本当に教養がなく、アジア人=中国人しか知らない、、といった人々もいます。
メンタルやられてしまうこともありますが、あなたが悪いのではありませんので気にしないようにするのが一番です。
といいつつも、長年そのような経験をしていると、16歳くらいの少年グループが前から歩いてくると、絶対に目を合わせないように、少し離れて歩くよういんしてしまう自分でもあります。
滞在許可証などお役所問題
郵便局で申請するところまではいいんです。
次に、QUESTURA(警察署の移民局)へ行かなくてはならない時です。
長蛇の列に並ばされます。
何か質問をしたくて、列の最先端の警察官に話かけた場合、イタリア語で流暢でない場合は、「とにかく列に並べ」と手で指示されるか、ちゃんと言葉ができてもかなり邪険に扱われて、必要な答えを得られることが多いでしょう。
これがスーツなどを着た大人のイタリア人男性とかと一緒だと態度が変わると言われています。
一般メールも受け付けてくれず、電話の対応もありません。
途方に暮れます。
高い学費を支払って、ちゃんとビザを取得して来ているのに、難民みたいな扱いを受けます。
二度と行きたいない場所トップ1、Questuraです。
もう二度とあの経験はしたくない。
みなそう思っているに違いありません。
お役所はたらい回しにされる。
これイタリアのあるあるです。
病気をした時
大怪我で救急車を呼んでもらいといった場合はイタリアの医療制度は天国です。
無料で、治療してくれます。
しかし、体調悪いから病院でチェックしたい、、、といった 場合は、ちょっと難しいです。
留学保険のある方は、私立の英語対応OKの医療クリニックに行きましょう。そこでお薬などを処方してもらいます。
もし、その後、何か検査が必要な場合、そのお医者さんに、処方箋を書いてもらい、検査の予約をしなくてはなりません。通常クリニックですぐに検査をすることはありません。
新たに予約をして、その検査を受けて、その結果をお医者さんのところに持参して、、、診てもらいます。
時間がかかります。
ですから、なるべく、日本からお薬を持参されることをお勧めいたします。
お医者さんは英語がわかっても、受付の人はイタリア語オンリーだったりすることも多いです。
言葉のわからない状態で、病院は結構難関です。
不安な方は、高額な留学保険に加入すれば、日本語対応、通訳をつけてくれます。
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