椅子から倒れ落ちるほどのビンテージワイン!

「世界のビジネスエリートが身につける教養としてのワイン」(著者:渡辺順子)
という本を読みました。

YOUTUBE大学でも紹介されています。

とても読みやすい本であっと言う間に読めてしまいました。

著者はオークションの大手の会社に勤めていてワイン部門を担当された方ということで、フランスの超高級ビンテージワインのこととか詳しく書かれています。
1934年のロマネコンティを試飲した時に、ワインに詳しいボスが「椅子から倒れた」。

そのボスとは、有名なフランス対カリフォルニアワインの「パリスの審判」(詳しくは、「ボトルショック」という映画になっていますのでそちらをどうぞ)の2度目の挑戦2006年の審査員にもなった人です。
ワインの味はけっこう値段と比例しているとは思いますが、それは、
1000円のワインと5000円のワイン、そして1万円のワインとかを比べた時のことであって、2万円以上とかでしたらあとはブランドだと私は思っています。

100万円のジャケットが20万円のジャケットと比べどれくらい機能的に優れているか、というのと同じです。

でも1934年のワインとなれば「希少価値」がすごいのでコレクターズアイテムとしてもはや芸術作品なのでお値段が跳ね上がるのはわかります。

でもあとは、高級なワインを飲んでいるというステイタスからくる優越感、満足度なのではないかと思います。

でも「椅子から倒れた」!
それは世にも素晴らしい味からだったのか、それとも
気持ちが高ぶっていたからなのか!

どんな味だったのか!
気になりますね。
本の中で一番印象に残っている一文でした。

また本の最後のほうに、「ルディー事件」のことが書かれています。

映画化されていて、英語ではSOUR GRAPES、日本語では「すっぱいぶどう」。

インドネシア出身の20代の男性ルディー(Rudy Kurniawan) が2000年ごろカルフォルニアに突然現れ、オークションに参加して超ビンテージワインを落札し続け、すっかり話題になります。

その後、ニューヨークに行き、ワイン好きの集まるのレストランのワインクラブのようなところへ、ランボルギーニ車と高級ブランドの服を来て、高級な時計をつけ、ロマネコンティなどを持って現れるので、すっかりどこかの御曹司のワインコレクターなのではないか、と有名になるのです。
しかし実は、彼はそのワインを研究して、フランスのボルドーやブルゴーニュの超高級ワインを偽造し、オークションなどで世界中に売りさばき、120億円も儲けた詐欺師だったのです。
富豪のワインコレクターも騙されていましたが、怪しいという声があがり、とうとう、フランスボルゴーニュのビンテージワインの偽造で失敗をしてしまうのです。
あるはずのない年のワインのビンテージを造ってしまい、本物のワイナリーのオーナーがそれに気がつくのです。
FBIの何年もの捜査ののち、2012年に家にとうとう踏み込まれ、逮捕され、10年の禁固刑となるのです。
家には、すごい偽造ボトル、エチケットがあったとのこと。
名前は本名ではなく、9つものパスポートをもっていたそうです本物の詐欺師だったのですね。
でもワインを嗅ぎ分ける才能は天才級だったのでしょうね。

さて、この偽装ワインは60億円分は回収できたそうですが、残りの60億円分はまだどこにあるのかわかっていないとのこと。
そして、それは日本に多く残っているのではないか、、とのことです。
著者は実際に本物のロマネコンティを良くみていたので、日本で偽造のルディーのワインを見て、見分けがついたとのこと。

そしてなんと去年の11月にこちら Wine-Searcher の記事によるとテキサスの刑務所から解放され自由の身になったとのことです。そのあとはアメリカを追放されるとのことです。

私の住んでいるトスカーナでも数年前に、スーパートスカンのサッシカイアを偽造して中国に大量に売っていたという事件があったそうで、ワインのエクスポーターのチェックがさらに厳しくなったとの話を聞きました。

ルディーほどの大金ではないけれど、これはよくあることのようです。

服の偽ブランドは縫い目とか革の質をよく見て見分けられますが、ワインは
超高級ビンテージワインなんて何本も飲む人はいないので、わからないでしょう。
なので、信用できるところからしか購入してはなりませんね。


コメントを残す

CAPTCHA


カラコン つけまつ毛