革の学校留学生インタビュー


SCUOLA DEL CUOIO 革の鞄制作学校に3カ月年間留学


naomi日本で行き詰ったら海外留学を考えてみるのは良いことだと思います。外に出てみると視野が180度変わります。違うものが見えてきて人生の物の見方が変わります。


直美さんは日本で、主に布の鞄を作成していましたがフィレンツェで「革」のバッグを作ってみたい」ということで、去年の秋の3ケ月コースに通われました。現在は、同じく革の学校のコースを修了された方の工房で修業中!そして自分の作品も作り続けネットなどで販売しています。

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学校で作った作品達。

留学を決心したきっかけを教えてください。

以前オーストラリアに留学しており、その後帰国してからバッグなどを作り仕事をしてきましたが、技術的な向上とデザインなど新しいものを自分の中に取り入れたいと思い、ビジネスを一時休業し、イタリア留学を決めました。

この革の学校を選ばれた理由は?
Suola del Cuoioは設備が充実していたことと、日本人の先生がいたこと。FWNさんの紹介文を読んでいておもしろそうと思ったから。他に考えていた学校もあったのですが、いろいろ調べて、評判や授業料、コースの内容などからここを最終的に選びました。

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学校で作成した作品。いろんなパターンを作ります。

専門留学の分野を選んだきっかけは?
自分の仕事分野で、技術を向上させたかったからです。

実際に通われてみていかがでしたか?
学校(制作工房)はサンタクローチェの教会の裏側になっていて、毎日通うのが気持ちの良いところでした。

私が取ったコースは9月からの3ヶ月コースだったので6人しか生徒がおらず、場所も設備もゆっくりと使えました。ミシンも5台あったので、ほとんど取り合いになることもなく1人1台くらいの感じで使えました。革などの材料は学校から支給されるため自分のデザインにあったものを選んで使うことができてとても良かったです。

先生はどうでしたか?

先生は日本人の先生がイタリア語で説明し、それをもう1人の先生が英語で訳してくれます。しかし、どちらもわからない場合はその後で先生から直接日本語で聞いたりできたのでとてもよかったです。ただ、日本人以外の他の生徒はそれができないので、もしかしたら日本人生徒に対して嫉妬感などを覚えていた人もいたかもしれません。どちらにしてもイタリア語もしくは英語が出来た方がスムーズにいくと思います。細かいところまでいろいろ説明してもらえるのでわかりやすく、とても勉強になりました。

カリキュラムは充実していましたか? naomibag3
ケース類からポーチ、バッグまで、形や構造の違うものがデザイン、型紙、制作までできるようにカリキュラムが組まれているので、たいへん勉強になり充実していました。その構造のものを作るのであればデザインは自分でできるので、同じ構造のものを習っても、それぞれ皆、出来上がったバッグは違っていて刺激になりました。

作品はいくつくらい作れましたか?

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工房内の様子

ひとりひとりの作業のスピードやバッグのデザインや手間の係具合によって違うので、皆できた個数も違いますが、私はポーチ類が5~6個とショルダーバッグやトートバッグなどが8個作れました。

留学してよかったと思いますか?
日本で行き詰まったら海外留学を考えてみるのはよいことだと思います。外に出てみると視野が180度変わります。違うものが見えてきて人生のものの見方が変わります。

留学前と今では何か変わりましたか?
現在もイタリア在住ですが、この困難な環境の中でどうやったらうまく仕事ができるか、やりたいことができるか模索中。日本に戻ったらこの経験が何かに役に立つことは間違いないと思います。

留学中一番うれしかった出来事は?
自分のデザインしたバッグがイメージ通りに仕上がったとき。学校や外で仲間達と過ごした時間。

留学中一番悲しかった出来事は?
一部仲良くなれなかった生徒がいたこと。いろんな人がいるんだなぁとそれも勉強になりましたが。

フィレンツェの感想をお聞かせください。

治安は?

私はここでは特に危ない目にあった事はありませんが、知り合いからお金を掏られたとかバッグを盗まれたなどの話はよく聞くので、自分の持ち物には日本にいる時よりも常に注意を払うようにしています。あとは、家に空き巣が入ったということもよく聞くのでその辺りも注意しなければなりませんが、念には念を押して注意を払っておいた方が良いかもしれません。

危険な目にあいましたか?

ここでは特にありません。ただ夜遅くに特に人通りの少ない道とかに入らない限りはここは比較的治安がよいと思います。

美術館など行きましたか?

美術館や博物館はたくさんありますが、学生としてここに来てからはあまり行ってません。以前旅行した時にはUffiziに行きました。月始めの日曜日が美術館、博物館が無料で入れるので機会があったらいろいろ廻ってみるのもよいかもしれません。

生活で困ったことなどありましたか?

住むところ次第でしょう。アパートはシェアをするか、自分で借りて1人で住むかだと思いますが、シェアをするにしても、一緒に住む人や、アパートの環境など、パーフェクトということはまずありません。どこまで妥協できるかだと思いますが、私は2回シェアアパートメントを変わって、最終的には自分でアパートを探して1人暮らしに落ち着きました。みんなとワイワイするのが好きな人はシェアの方が楽しいと思います。特にイタリア語を真剣に上達させたいと考えるならばイタリア語を使える環境の所を選ぶと良いと思います。日本人とシェアをするのはコミュニケーションを取るのは簡単かもしれませんが、イタリア語は上達しませんし、気を使うことも多いです。外国人とシェアする場合は、共同のキッチンやトイレバスを使うところでいろいろ問題が起きることが多いです(人に寄ると思いますが)。

これからの予定は?

しばらくフィレンツェで知り合いの工房に通いつつ、自分でも仕事をしてみたいと思います。

これから留学をする人へのアドバイスをお願いします。

留学先で何をしたいのか具体的に考えてから来た方が時間の無駄なく過ごせると思います。イタリア語は少し話せる聞き取れる程度でも日本にいるうちにやってこないと、他のヨーロッパから来た生徒たちと一緒に勉強するのは難しいです。ゆっくりしたペースで学びたい方は日本人がたくさんいる学校を選ぶのも選択肢の一つでしょう。(田郷岡さんが通われた語学学校はこちらに掲載しています。)

(2015年4月にインタビュー)

田郷岡さんのホームページです。
http://tagodesign.blogspot.it

 


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